河口湖美術館は、富士山麓の入口約一万六千人の町の、河口湖町ふるさと創生財団が第三セクター
で運営している美術館。美術館をとりまく七千坪の芝生の庭は、自由に入って遊んでいって下さい、
と立入禁止の区域はどこにもない。
対岸の西空に富士の裾野がゆるやかなスロープを描いているのが見えるが、晩秋になるとこの稜線
の上に広がる空は、どんな美術品もかなわない美しい茜色に染まる。そんな一時期「四時以降入館無
料・夕陽見物」と銘打って、ギャラリーの奥のガラス張りのコーヒールームを開放したこともあった。
美術館は美術品を見るだけでなく、都会から憩いを求めてくる人たちが心身ともに開放された充実
感を味わうところでなくてはならない、と足立朗館長は語る。